反応表現型検査

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規制コンプライアンス

総合的な酵素評価

アイソフォーム固有の化学阻害剤および組み換え酵素

反応表現型検査は、ヒト肝臓ミクロソームのプールから培養された親被試験体の消失に際して、酵素アイソフォーム特異的阻害剤の影響を評価するものです。組み換え個別薬物代謝酵素アイソフォームを使った培養は酵素活動の確証を提供します。 

被試験体を代謝する役目を持つ酵素を評価すると、潜在的な障害、例えば単一の酵素によって触媒される代謝径路や、多形的発現酵素などが強調されます。

反応表現型検査における規制関連の考慮事項

CYP酵素(CYP1A2, CYP2B6, CYP2C8, CYP2C9, CYP2D6 and CYP3A)の試験は、薬物間相互作用(DDI)ガイドラインに則って、薬物のクリアランス径路の初期調査として行うことが推奨されています。薬物代謝においてこれらの主だったCYP酵素の関与が見られない場合は、下記に挙げる他のフェーズ Ⅰ 、フェーズ Ⅱ 酵素を検証します。

  • CYP酵素 (CYP2A6、CYP2J2、CYP4F2、および CYP2E1)
  • アルデヒドオキシダーゼ(AO)、カルボキシエステラーゼ(CES)、モノアミンオキシダーゼ(MAO)、フラビンモノオキシゲナーゼ(FMO)、キサンチンオキシダーゼ(XO)、およびアルコール/アルデヒドデヒドロゲナーゼ(ADH/ALDH)などの非CYP酵素
  • UDP グルクロノシルトランスフェラーゼ(UGT)、スルホトランスフェラーゼ (SULTs)などの抱合酵素

反応表現型は被試験体の代謝される割合(fm)についての情報を提供し、被害者のDDIの可能性の評価、治験デザインの通知、薬物動態における個々の変異性の予測、そして遺伝子多型の影響の検証などに使用できます。

方法

  • テストシステム: プールされた肝臓ミクロソームと、必須補因子を満たした組み換え個別発現のヒト酵素
  • CYPアイソフォーム:  CYP1A2、CYP2B6、CYP2C8、 CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6 および CYP3A4 (他のCYP、UGTおよび薬物代謝酵素も用意できます)。
  • 確証にはアイソフォーム特定の化学阻害剤と組み換え酵素が使用されます。

被試験体はリン酸塩緩衝液内のミクロソームを使用して、最短でも5分間予備培養されます。被試験体の代謝は、NADPHもしくは他の補因子によって開始されます。有機溶剤を足すことで培養が終結し、液体クロマトグラフィー(LC-MS)を使用して被試験体の、または代謝物質のサンプルが分析されます。

フェーズ Ⅰ - In vitro培養状態のオプティマイゼーション

被試験体はミクロソームの濃度(一般に 1 mL あたり0.1 - 1 mgのタンパク質)によって最長60分間、4つの時点に分けて、NADPHおよびその他の適切な補因子が存在する中で三重に培養されます。

コントロール培養は補因子が存在しない状態で実行されます。ミクロソーム濃度の培養状態と、被試験体の消滅が起きる現象が線上になる時点、これらが追跡実験を決定する目安となります。

フェーズ Ⅱ - 被試験体代謝の薬物動態解析

最適化された条件のもとで三重に試験される8種類以上の濃度のサンプル培養で、どのくらいの速度で被試験体が消滅するかがが観察されます。データはミカエリス・メンテンの双曲線フィッティングによって分析され、動力的パラメーター KmおよびV最大値が被試験体のために決定されます。

フェーズ Ⅲ - CYP固有の化学阻害剤による阻害分析

被験物質はプールされ、酵素選択的な化学阻害剤の存在しないヒト肝ミクロソームを使って濃度 <K で 3 重に培養されます。コントロール培養は、媒体溶液のみを使用した阻害剤のない状態で実行されます。

フェーズ Ⅳ - 組み換えヒトCYPを使った代謝

被験物質は濃度 <Km によって 3 重に培養され、その範囲は組み換えヒト CYP、UGT、また他の DME(上記参照)となっています。被試験体の相対的な濃度は0分と60分に測定されます。

成果物

これらのアッセイが、In vitroで被試験体の代謝の程度を決定する酵素を判別します。被試験体消滅の動態、また代謝物の形成が測定されます。In vitro 代謝評価は関与する主要な酵素を判別し、ファーストインヒューマン試験の前に、潜在的な in vivo クリアランス構造障害について注意を促します。

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